経済観念
奴は子供の頃から1人だったらしい。
家にはいつも誰もいない。お金が置いてあり、食事はは自分で買ってきて食べるしかない。それが普通と思って育ったらしい。
奴親は、世話はしないけどお金は渡していた。何でもお金で解決して来た様子。
そんな家庭で育ったからか、奴は経済感覚かだいぶおかしいい。一緒に過ごした5年間、お金の事でもどれだけ苦労したかわからない。でも奴はそんな苦労があったなんて微塵も思っていない。話して訴えた所で、「俺は稼いで来てる。ないのはお前のやりくりが悪いからだ」としか言わない。
稼いで来た額=全部遊んで使える額だと思ってるからたまらない。
給料を手にした途端毎日のように飲み歩く。
私も働いていたけど、私の給料は月の支払い、学費、保険料と全て出て行ってしまうので、私は友だちとお茶を飲みに行く事すら出来ず、必死に働き必死に節約に努めるしかなかった。
そんな相手だったから、いざという時のために、家計簿はきちんとつけていた。離婚の際、お金の事で口撃されるのは目に見えていたから。
「あれだけ稼いで来てたのに、どうしてないのかわからない」
離婚調停の際、奴が調停員にそう話したらしい。
そりゃわからないだろうよ。一般的な経済感覚がないんだから。
敵の攻撃に備えるためにつけておいた家計簿は、見返すたびに苦しくなる。
今も貧しいけど、あの頃は人としての権利すらなかったから、離婚して良かったと心から思える。